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ソローはマサチューセッツ州ボストンのコンコードに住んでいたが、その自宅からわずかに2kmほど離れたウォルデン湖のほとりに小屋を建てて2年2ヶ月を一人で過ごした。『森の生活−ウォルデン』はその時の記録である。 彼は文明社会から隔絶して完全なる隠遁の暮らしを送ったわけではない。むしろ多くの友人達がウォルデンの彼のもとを訪ねて来た。ソローの小屋には、ベッドと食卓、机とランプ、そして小さな3つの椅子が置いてあった。「一つは思索のために、二つは交友のために、三つは社会のために」と彼は書いている。 彼が『森の生活』を書いた19世紀半ばのアメリカは、電信というそれまでになかった高速・長距離コミュニケーションの技術が開発・導入され、村落コミュニティ中心のゆったりとした生活のリズムがスピーディな都市型のライフスタイルへと徐々に加速を始めた頃と重なる。『森の生活』を読むと、彼の文明批評はインターネットの出現した現代社会にそのまま当てはまることがよくわかる。 とはいえ、カントリー・オンラインが注目したいのはソローの批評性よりもむしろ、生活に対するピュアな理想と、その理想を都市社会の現実を一方に踏まえつつとりあえず実現してみようとした現実的な行動力である。彼はそういう意味で、「田園的優雅を都市生活者の視点で楽しむ」という本サイトのコンセプトを1世紀ほど前に実行した先人であるとも言えまいか。 |
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では、現代のソローは何処かにいるのか? | ||||||
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