大阪市中央区西心斎橋1-6-23(地下鉄「心斎橋駅」より徒歩3分)
TEL06-6271-6206
OPEN11:00〜20:00

【15:00〜17:30は中休み】
日曜休業

 
♪大阪はかつて「東洋の都」と呼ばれたほどの大繁栄を誇った時代がある。1920年代、そして1930年代。とりわけ、関東大震災と世界大恐慌(1929年)の余波からなかなか立ち直れなかった東京の地盤沈下を尻目に、住友や鴻池といった大財閥と船場を中心とする一大繊維産業の隆盛、これに伴う活発な海外貿易と国内の流通、金融市場の活発化、さらに鉄鋼、鉄道、造船などの重工業の発展により、関西経済の力ははるかに東京を凌ぎ、江戸時代より続いた「天下の台所」として日本経済の中心の名を欲しいままにした。
そして、その頃を起点として広く大阪市民の間に広まったのが、西洋料理を楽しむ「モダン」なライフスタイルである。
世界で初めてのターミナルデパートの発想により阪急梅田駅に直結した阪急百貨店を1929年に開業させた阪急東宝グループの創業者小林一三は、同時に壮麗な建築意匠やステンドグラスを施した阪急百貨店大食堂をオープン。50銭のランチと25銭のライスカレー(共にコーヒー付)などの人気メニューを配したハイカラな西洋食堂はモダンを求める大阪市民で溢れた。また1933年に御堂筋平野町にオープンした大阪ガス本社ビル(通称ガスビル)には、国内初の本格的フランス料理の洋食堂がオープン。ビジネスマンで賑わう。
そしてあれから70年の時が流れたが、大阪の「洋食屋」の伝統は今尚健在。特に、庶民の食生活の中にそれは生きている。
今回訪れた西心斎橋のビオラもそんなモダンでハイカラな西洋食堂の雰囲気を色濃く残す店だった。
若者で賑わうアメリカ村のど真ん中、そこだけ時が止まったかのような佇まいの、しかし洒落た小さな店に入ると、純白のチェアシートやクロス、シェフの帽子が、古き良き時代の雰囲気を伝えている。
ハヤシライス、チキンライス、タンシチュー、牛肉巻きコロッケ、エビフライをよく冷えた生ビールで味わうこの上ない幸福感。
気取らず、またおもねることなく、淡々と、どれもこれも絶品と言えるディッシュのひとつひとつを「はい、おまちどうさん」と配膳する店長の気負いのない横顔に、洋食屋の心地よさの真髄を実感した。いい旅の、いいひと時がそこにあった。

シータイガー種の特大エビフライ
2,800円也
純白のシートがかけられたカウンターチェア。
黙々と調理をするシェフ、準備に余念がない店長。
爆 食!
チキンライス、ハヤシライスなど、メニューは庶民的。
中でも特におススメは、看板メニューのこのビオペット。
牛肉で包んだクリームコロッケ1,300。絶品の味

 

レトロでモダンな大阪に「洋食屋」のルーツ発見!
これは見るべし!

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